生成AIを活用した救急電話相談・救急現場
緊急度判定支援システム
Sharp 4A Project
Sharp 4A Projectは、生成AIを活用した救急電話相談、ならびに救急現場における緊急度判定支援システムの研究開発プロジェクトです。 「4A」とは、AI Assisted Acuity Assessment──すなわち「AI支援による緊急度判定」を意味し、AIが医療従者による救急現場や電話相談の緊急度判断を支援する新しい仕組みを目指しています。
令和7年度消防防災科学技術研究推進制度 施策関連テーマ①
ICT技術等を活用した救急業務の効率化等に関する研究
研究代表者
東洋大学 情報連携学
横浜市立大学大学院医学研究科救急医学
福島県立医科大学
学術実業連携機構(INIAD-cHUB)
森村 尚登
最新情報
研究の概要

本研究は、生成AI(LLM)を中核とする緊急度判定支援エンジンを構築し、電話相談・救急現場・院内ERのあらゆる入口を横断して初動判断を一貫支援する基盤技術を確立する。方針は「①環境非依存のエンジンを先に作る→②利用シーン別のインターフェースを後から最適化する」。音声・テキスト・ロボティクス・通報アプリ等の多様なI/Fに適応し、プレホスピタルから院内までの情報をプッシュ型で集約・提示、業務の重複入力と中断(interruptions)を減らし、判断負荷を可視化・縮減する。IoT/RFIDでバイタル・移動履歴・機器使用などを自動取得し、RAGにより根拠を伴うAI出力を実現。救急専門医の継続的フィードバックで運用下での性能を段階的に改善し、地域・規模を問わず展開可能な社会実装の実証ラインを築く。
心停止の例に象徴されるように、救急は1分の遅れが転帰を左右する領域である。本研究は、AIとIoTで初動情報を一元化・即時共有し、119の入口からERまでの判断遅延と連絡ロスを縮減することで、実測的に搬送選定の適合率向上、処置着手時間短縮、インシデント減少を目指す。また、重症度に応じた適正利用(民間救急・介護タクシー等の代替手段提示)を後押しし、需給の不整合を緩和。さらに、救急現場×医療機関を横断するデータ連携モデルを提示し、地域格差の是正と持続可能な救急体制に貢献する。最終的には、どこで倒れても同等水準の支援が受けられる人×AI協働の救命プラットフォームを社会基盤化し、安心・安全と医療者の働き方改革を同時に実現する。
本プロジェクトの本質的な意義

- まず使用する環境を問わずエンジンを作る
- 次にインターフェースを検討する
- 電話、ロボット、音声、、、
Large Language Model (LLM=生成AI)へのデータ読み込みに際して
- 当該領域における有識者(救急医学に基づく緊急度判定プロトコル策定に係る研究者)による直接的な検証のプロセスを踏む
- ICL(In-Context Learning:AIに学習を指示する方法の総称)の中に以下を加える
- 読み込み材料の選択と提示:適切な材料使用の指示→プレプロンプトの実施(緊急度判定プロトコルVersion 3をベースとする)
- 検証を可能にするために、AIの返した結果の根拠がたどれる仕組み(RAG:Retrieval augmented generation)を準備
- 救急専門医師による随時の挙動変更指示
成果物の運用の検討
- オープンイノベーション実現のための課題整理
- 本事業の基本的出口戦略はオープンイノベーションの考え方に立脚
- 多分野の研究者や実務家との連携による事業展開を目指す
- 本研究成果物は広く公共サービスの位置付けであり、一部企業が独占的に事業を行うものではない
- 本研究で創出された知的財産権などは、その寡占・独占を阻止するために取得し、その利用・運用に関してはコンソーシアムなどを立ち上げ連携を図る
- 現行の運用体制に組み込み活かす方策の立案
- インターフェース:音声、ロボット,,,,,
- 質の向上のためPDCAサイクルの枠組みの展開
- サービスの質向上のため、誤認識・誤判断などの評価をするためのKPIを設定し、その評価・改善を継続的に実施する
社会実装のイメージ
電話相談

救急現場

研究協力者・支援者一覧(敬称略)
副研究代表者
坂村 健:東洋大学INIAD-cHUB
安部 猛:福島県立医科大学 総合科学教育研究センター
伊藤 重彦:NPO法人病院前救護と健康管理研究会
大田 祥子:日本薬科大学薬科学部
織田 順:大阪大学医学部
國枝 孝之:香川大学
鷺坂 彰吾:日本赤十字社医療センター
櫻井 淳:日本大学医学部
杉田 学:順天堂大学医学部
高橋 耕平:横浜市立市民病院
問田 千晶:信州大学医学部
別所 正博:東洋大学INIAD
(五十音順)
新井 悟:東京都医師会
猪口 正孝:東京都病院協会
仲野 友康:東京消防庁
吉木 輝仁:北九州市消防局
平沼 直人:弁護士・日本体育大学
永山 大悟:弁護士
池澤 熙明:弁護士
事務局・オブザーバー一覧(敬称略)
研究班事務局
- 原田 瞭太
- 藤綱 麻沙美
- 浦本 真紀子
- バーズ・ビュー株式会社
代表研究者所属機関事務部
- 白柳 知咲
- 中野 朝陽
- 田中 まり恵
- 安田 祥子
- 渥美 元康
- 東洋大学赤羽台キャンパス事務部
オブザーバー
- 江口 耕一
- 東京都保健医療局
- 竹田 佳宏
- 寺村 一成
- 総務省消防庁救急企画室

